引き出物にまつわる雑記

今治タオルに風評被害?誤解を招くNHKの報道と地域名ブランドの難しさ

今治タオル

2019年6月24日にNHK「ノーナレ 画面の向こうから」という番組で、今治のタオル製造企業で外国人技能実習生を不当に労働させている様子が放送されました。

このことがインターネットで拡散され、今治タオルの不買運動にまで広がるという大きな波紋を呼んでいるようです。

タオル工場での劣悪な外国人労働者の様子に反響

話題になった番組はこちらです。→NHKドキュメンタリー「ノーナレ 画面の向こうから」

ベトナム人技能実習生が刑務所のような環境で働かされ、適正な給与を支給されず「助けてください」と番組に声を寄せている様子が放送されました。

インターネット上では、放送された企業が「森清タオル・オルネット」ではないかと憶測され、誹謗・中傷が書き込まれました。またツイッターでは「今治タオル不買運動」も起こりました。

NHKと今治タオル工業組合の声明

今治タオルへの批判の高まりを受け、NHKと今治タオル工業組合はそれぞれに声明を発表しました。

NHKの声明

NHKは番組ホームページ内で、放送された企業と「森清タオル」との関係を否定しました。

(おことわり)6月24日放送の「ノーナレ 画面の向こうから」で、外国人技能実習生の状況について取り上げました。

放送後、この番組で実習生が働いている会社として、特定の企業(森清タオル・オルネット)を中傷する内容がインターネットに書き込まれていますが、その企業は、当番組で取り上げた会社ではありません。

NHKドキュメンタリー「ノーナレ 画面の向こうから」より引用

今治タオル工業組合の声明

今治タオル工業組合は、ホームページ上で以下の声明を発表しています。

(1)ベトナム人技能実習生の受入企業(当該企業)は、当組合に所属する企業(組合員)ではありません。

本報道で「28人のベトナム人が働く下請工場」「仕事はタオルの縫製」と報道されている当該企業は、当組合の組合員でないことを確認しております。

(中略)

(2)当該企業は当組合員等の縫製の下請企業であることから、当組合も社会的責任及び道義的責任を重く受け止めています。

当該企業は当組合に所属する企業(組合員)ではありませんが、組合員等の縫製の下請企業であることから、今治タオルの振興を図る取り組みをしています当組合としましても、社会的責任及び道義的責任があると考えており、この問題を非常に重く受け止めております。

(3)今後の対応は、技能実習生の労働環境の改善を最優先に考えて支援などに取組みます。

現在のところ、当組合でも情報収集に努めるとともに、本報道にもありましたように同機構が「労働基準法や技能実習法などに反した疑いで会社の調査は続いている」とのことであり、同機構の調査結果となんらかの措置を参考にして、実習生の身分や地位等の利益を最優先して労働環境の改善などの対応を真摯に検討してまいります。

(4)法令遵守等の周知徹底の強化のための全員協議会およびコンプライアンス研修会を開催いたします。

当組合では、経済産業省等から指導を受けています「繊維産業における外国人技能実習の適正な実施等のための取組」と「繊維産業の適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」を基に、これまで以上に組合員はもとより下請企業の法令及びコンプライアンス遵守について周知徹底を強化します。

(後略)

今治タオル工業組合より引用

今治タオル工業組合員ではないが、下請け企業

両者の声明によると、番組で放送された企業はインターネット上で批判を受けている企業ではなく、今治タオル工業組合の組合員でもないそうです。

ただし、今治にあるタオル製造メーカーの下請け企業のひとつであるようです。今治タオル工業組合の企業の下請けなのか、今治タオル工業組合以外の企業の下請けなのかは明らかにされていません。

今治タオルブランド全体への風評被害

NHKで放送された番組内では、該当の企業名を公表していません。そのために憶測が飛び交い、今治タオルブランドや今治のタオル製造業全体への風評被害へと発展してしまったようです。

今治タオル認定メーカーのひとつ、ハートウェルには番組放送の翌日に取引先や消費者の方から多数の電話の問い合わせがあったそうです。

※詳しくはこちら→今治タオル不買運動を巡る問題とNHK報道による誤解

すぐにインターネットで誹謗中傷が広がる今の世の中、「NHKは風評被害を予測した番組作りをするべきだったのでは?」と私は思います。

今治タオルの産地、今治にはたくさんの中小タオル製造メーカーが存在しています。その中には「今治タオルブランド」認定を受けているメーカーもあれば、単に「今治産(工場の場所が今治だというだけ)」のメーカーもあります。

放送された内容では、該当の企業は「今治タオルブランド」メーカーだったのか、ただのタオルメーカーのだったのか定かではありません。曖昧にして放送することで、今治のタオルメーカー全てに悪い印象を与えてしまっています。

地域名をブランド化することの難しさ

私はこの騒動に関する一連の記事を読んで「地域名をブランド化するのは難しいんだな」と思いました。

そもそも「今治タオル」とは、独自の厳しい基準をクリアしたタオルだけに与えられるブランド名です。正規の今治タオルには今治タオルマークが付けられています。

今治タオルマーク

「今治タオルブランド」とは、特定の企業の製品を指すブランド名ではありません。今治で作られ、かつ基準をクリアしたタオルに与えられるブランド名です。

消費者にとっては分かりづらい

現在、基準を満たしたたくさんの企業が「今治タオル」のブランド認定を受けています。

私は初めて今治タオルを購入するときに「なんで今治タオルってこんなに色々なメーカーがあるの?一体、どれが良いの?」と混乱してしまいました。消費者にとって「今治タオルブランド」は分かりづらいんですよね。

混乱の原因の一つに「今治タオル」の存在があります。「今治タオル」は、今治で作られているけれど、ブランド認定は受けていないタオルです。こういったタオルには今治マークが付いていないことが目印になります。

しかし、今治タオルでありながら今治マークが付いていないタオルもあるんです。

極上タオルマーク
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更に数年前には、今治タオルの認定を受けていないのに勝手に今治マークを付けていた企業があり、問題になりました。

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「今治タオルって、今治で作られたタオルのこと全部じゃないの?」と思っている方は多いと思います。私もそう思っていました。

「今治タオル」なのか「今治タオル」なのか、消費者は混乱してしまいます。

地域名とブランド名の混同と混乱

今回のNHKの報道も「今治(地域名)にある、タオル製造業」と放送しただけで視聴者は「今治タオルブランド」を連想し、今治タオルブランドの不買運動に繋がってしまったようです。

風評被害を防ぐ為に「NHKが放送した該当の企業名を公表すべきなのでは?」と私は思います。

(公表された企業名が今治タオル工業組合のメーカーだったら大変ですけどね!または、今治とは関係のない産地だったりして・・。更にはもしかして、NHKの虚構で実在しなかったりして・・。)

(こんな風に、曖昧な情報からは個人の見解による憶測がたくさん生まれてしまうんですね。)

やっぱり高品質!今治タオルブランド

今は厳しい立場に立たされてしまっている今治タオルブランドですが、その品質は本物だと私は思っています。

厳しい基準に合格した正規の今治タオルは、吸水性に優れたとても気持ちの良いタオルです。一度使ったらクセになってしまい、私は何枚も購入しています!

今治タオルブランド認定メーカーの一覧と、私が使った感想をこちらの記事にまとめています。↓

白雲タオル600px
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素晴らしい地域産業であり、私のお気に入りであるふわふわの今治タオル。風評被害に負けずに発展していって欲しいと思っています。